血糖値が異常に低下した状態を“低血糖”と呼びます。
インスリンや血糖降下薬が過剰のときなどにみられ、空腹感・冷や汗・脱力感・動悸(どうき)・手足のふるえ・頭痛などの症状があります。
低血糖の状態が長く続いて重症になると、痙攣(けいれん)・昏睡(こんすい)に陥ることもあります。
また、乳児の場合、呼吸が速くなり、ついで呼吸数が減って口唇が紫色(チアノーゼ)になり、泣き声も弱くなってけいれんをおこし、意識がなくなることがあります。
一般的には、次のような原因が挙げられます。
・空腹状態が続いた場合
・糖尿病の治療でインスリンを多く注射してしまった場合
・インスリンの注射後に食欲がなくて食事をしなかった場合
・インスリノーマ(インスリンを過剰に分泌する腫瘍がすい臓にできる病気)
・肝臓病の場合(糖代謝が平滑に行われず、低血糖症をおこすことが少なくない)
・糖尿病の発病初期
・新生児の場合、先天性の糖代謝異常
診断は、血液中の糖分(血糖)を測定して行います。
1デシリットル中の血糖値が45ミリグラム以下であれば、低血糖症であると診断されます。
しかし、慣れや個体差がありますので、血糖値と症状の出現はかならずしも一致するわけではありません。
治療は、急性の場合ブドウ糖を静脈内に注射する方法で行います。
軽症の場合は砂糖水やキャンデーを口にするだけで十分です。
腫瘍によるものは手術で摘出する必要があります。
なお、糖尿病でインスリン注射をしている患者さんは、他の人よりも低血糖症になる可能性が高いとされています。
それを十分自覚し、低血糖にならないよう気を配るとともに、いざという時の応急処置も心得ておくことが必要でしょう。