中性脂肪は、検査数値が高くてもこれといった自覚症状がありません。
しかし、中性脂肪値が高いままで、長く放置しておくと、血管の老化が着実に進み、動脈硬化から心臓疾患、脳血管疾患に一直線となりかねません。
そもそも、中性脂肪とは何なのでしょうか。
どうして高くなるのか、どのような食生活で改善できるのかを見ていきましょう。
一言で血液中の脂質と言っても、いくつか種類があり「中性脂肪(トリグリセライド・TG)」「コレステロール」「リン脂質」「遊離脂肪酸」などがあります。
そもそも中性脂肪とは、エネルギーを体内に貯蔵するための形態のもので、私たちの皮下脂肪は、そのほとんどが中性脂肪です。
血中の中性脂肪が過剰に増えた状態を「高中性脂肪血症」といい、中性脂肪とコレステロールのどちらかあるいは両方が過剰に増えた状態を「高脂血症」といいます。
脂質は水に溶けにくいので、たんぱくと結合したもの=リポたんぱくという形で血液中を運ばれます。
リポたんぱくはその成分の比重の違いにより、それぞれ体内での作用が異なります。
◆カイロミクロン&超低比重リポたんぱく(VLDL)⇒中性脂肪を運ぶ
◆低比重リポたんぱく(LDL)&高比重リポたんぱく(HDL)⇒コレステロールを運ぶ
もし健康診断で「中性脂肪が高い」といわれたとしたら、食事で摂る脂肪の量を減らそう、と考えませんか?
実際にそうする人が多いようです。
しかし、食事で摂る脂肪を控えれば血液中の中性脂肪は減るのでしょうか?
食事で摂った脂質は、小腸で吸収されてカイロミクロンになります。
脂質の多い食事をすると、血液中にカイロミクロンが増えます。
しかし、カイロミクロンは食後数時間で、ほとんどが各組織のエネルギーとして使われます。
中性脂肪の検査は、空腹時(少なくとも食後12時間以上あける)に行いますから、検査で計測される中性脂肪は通常、カイロミクロンではありません。
このことから、食事で摂った脂質との関わりは少ないことがわかるでしょう。
では中性脂肪はなにが影響するのでしょうか?
中性脂肪は、食事の食べ過ぎで余った糖質を材料に、肝臓で作られています。
また、アルコール摂取によっても中性脂肪の合成が促進されます。
さらに肥満の人は、脂肪細胞から脂肪酸が流出し、これを原料にして肝臓で中性脂肪が合成されています。
糖尿病、肝臓病、腎臓病、痛風、飢餓などによっても、高中性脂肪血症になることがあります。
なお、食後12時間経っても、血液中にカイロミクロンが存在する場合もあります。
これは特に高カイロミクロン血症と呼ばれています。