「空腹は世界中で最上の調味料である」という名言を残したのは、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスです。
彼は、有名な著書「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」の中で、先ほどの名言を記しています。
セルバンテスが、このような後世にも語り継がれる言葉を残した背景として、彼の波乱の人生を知っておく必要があるでしょう。
セルバンテスは1547年、イダルゴ(下級貴族)の家の次男としてスペインに生まれました。
セルバンテス38歳の時に、外科医であった父親ロドリーゴが亡くなると、セルバンテスの家庭は本人・姉・妹・姪・妻・娘(私生児)の六人家族となりますが、女性ばかりで稼ぎ手が少ないこともあり、家計は逼迫してしまいます。
何とかしようと考えたセルバンテスは、無敵艦隊の食料調達係の職を得ることに成功し、スペイン各地を歩き回って食料を調達します。
しかし、教会から強引に徴発したかどで投獄されてしまうのです。
後年、「ドン・キホーテ」で成功を収めますが、版権を安く売り渡していたため、生活は良くならなかったと言われています。
このように、セルバンテスは食料を手に入れることに大変苦心する、という経験をしていたのです。
空腹の苦しみを十分に知っているセルバンテスだからこそ、このような名言を残すことができたのではないでしょうか。
セルバンテス以外にも、実は似たような名言は世界各国で語り継がれています。
ギリシャの哲人として有名な、ソクラテスは「最上のソースは空腹である」という言葉を残しました。
また、ギリシャ、ローマ、ドイツには、古くから「空腹は最上の料理人」という言葉があります。
フランスには「食欲というソース以上のソースはない」という言葉があるそうです。
多少、用語は違うにしても、この種の諺はヨーロッパ各国にみられます。
とりわけヨーロッパにこのような言葉が深く浸透していることは、大変興味深い点でもありますね。