「食事は1日3回、規則正しく」というのは、胃腸だけではなく、健康の基本と言われています。
しかし、実際には忙しくて食事の時間も満足にとれない人も多いですし、女性にはダイエットで空腹をこらえてしまう人もかなりいるでしょう。
私たちは日々の生活の中で、何気なく空腹を我慢してしまう習慣がついてしまっていますが、これは実は体には良くないことなのです。
空腹を満たさないことにより、胃の痛みやむかつき、吐き気など急性胃粘膜病変を引き起こすこともあるのです。
東京女子医大成人医学センター所長の前田淳教授によると、空腹感というのは「食事をとってください」という脳からの指令だと言います。
ここで、重要な働きをしているのが胃酸です。
胃の中が空っぽになる
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胃酸の分泌が活発になって胃壁を刺激する
↓
この刺激が脳に伝えられて食欲中枢を刺激
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空腹感が生み出される。
このような流れで人間は空腹感を感じます。
ここで、要求通りに食事をして空腹感を満たすことができれば、胃酸は食べ物によって中和され、消化された食べ物と一緒に腸に送り出されていきます。
そして、それと同時に胃酸の分泌も低下していくのです。
ところが、ここで空腹を我慢すると、胃酸がどんどん分泌されて胃の中に溜まってしまいます。
この胃酸が、過度に胃を刺激して痛みやむかつき、吐き気などの原因になるのです。
特に寝ている間は、胃腸の運動も低下して胃酸が胃の中にたまるため、朝の空腹時にもたれやむかつきの原因になりやすい。
実際に「内視鏡の検査をする時には、朝食を抜いてきてもらうのですが、この時内視鏡でみると、胃酸が活発に分泌されていたのが分かる」と前田教授は語ります。
内視鏡でたまった胃酸を吸引するとたいていの人が、スッキリ良くなるそうです。
急性胃粘膜病変から胃を守るためには、特に次のことをこころがけましょう。
@規則正しい食事をして、暴飲暴食を慎む。
A消炎鎮痛剤やアルコールなど、胃を荒らしやすいものは、すきっ腹に飲まない。
(夜中の歯痛や生理痛で消炎鎮痛剤を服用する時にも、牛乳や菓子パンなど何かを胃に入れて服用するようにしましょう)
B消炎鎮痛剤で胃を痛めやすい人は胃薬を一緒に飲む。
そして、前田教授は胃の調子が悪い人は便の色にぜひ注意してほしい、と呼びかけています。
「便の色が真っ黒でノリのつくだ煮のような色をしていたら、胃腸からの出血の兆候です。直ちに病院を受診してください」
あまり深く考えることのない空腹ですが、このように胃を悪くすることもある、ということを念頭に置き、可能な時にはすぐに空腹を満たす習慣をつけましょう。